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 ハンセン病の国立療養所菊池恵楓(けいふう)園(熊本県合志市)が今年で創立110周年となり、21日に式典があった。入所者ら約200人が出席し、入所者自治会長の志村康さん(86)が「『自分にハンセン病の家族がいました』と気楽に話せるような社会になることを希望し、頑張りたい」などとあいさつした。

 1909年4月、九州7県連合立九州癩(らい)療養所として開設され、41年に現在の名称になった。50年代後半は1700人以上いた入所者は、現在179人。平均年齢は84・42歳で、今年だけで22人が亡くなった。

 ハンセン病を巡っては、6月、差別や偏見によって家族離散を強いられたとして元患者の家族らが国に損害賠償を求めた集団訴訟で勝訴。これを受けて11月、国が元患者の家族に最大180万円の補償金を支払う法律が成立した。

 式典には加藤勝信・厚生労働相が「国の隔離政策によりハンセン病に対する社会の厳しい差別偏見を生み、元患者や家族に筆舌に尽くしがたい苦難を与えた。大臣として真摯(しんし)に反省し深くおわびする」との談話を寄せ、代読された。蒲島郁夫知事は「無らい県運動による根強い差別偏見をなくし、入所者らの名誉と差別の回復を図る必要がある。ハンセン病に対する正しい理解を求めるという県としての責任をしっかりと果たす」と述べた。

 この日は元患者の手をモチーフにしたブロンズ製のモニュメントが披露され、モデルとなった杉野芳武さん(88)と妻の桂子さん(78)も眺めた。桂子さんは「これから園を訪れる人に、像を通して自分たちの思いを知ってほしい」と話した。(大木理恵子)