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 九州最大の歓楽街、福岡・中洲で風俗案内所が増え、景観を損ねるとして、福岡県は、規制条例の改正案を12月定例県議会に提出する方針を決めた。写真や広告パネル、割引券などを制限する内容で、全国トップクラスの厳しさ。来年4月の施行を目指し、25日に県議会各会派の代表者に条例案を示した。

 「県風俗案内業の規制に関する条例」に、新たに①客を接待するホステスの写真などが、外から見える状態を禁止②性的感情を刺激する広告パネル掲示の禁止場所を、従来の店外に加え店内にも拡大③店内外に風俗関係の割引券や冊子を置くことを禁止――の3点を盛り込む。

 規制条例は、中洲を中心に案内所が増えたことから2013年に施行された。だがその後も増え続け、10月末時点の県内の数は124店で、東京都の125店に次ぐ。中洲は66店で、東京・歌舞伎町の51店を上回る。15年施行の改正県迷惑行為防止条例で、キャバクラやスナックなどの客引き行為や指定地域の客待ち行為を禁じた影響があったとみられる。

 中洲の事業者や住民でつくる中洲町連合会は5月、博多署長に要望書を提出。刺激的な女性の写真やパネルが目立ち、中洲のイメージを悪くしているとして、規制の強化を求めた。

 中洲の風俗案内所などを経営する会社から「みかじめ料」を受け取ったとして、県公安委員会が17年、指定暴力団福博会の幹部に授受の中止を勧告しており、県警は案内所が暴力団の資金源になっている可能性もあるとみる。こうしたことから、県は規制強化が必要と判断した。

 風俗案内所の規制条例は10都府県で施行されている。案内所は風俗店ではなく、風営法の規制が及ばないためとみられる。福岡以外の9都府県で「写真など」「パネル」の規制があるのは7都府県だが、「割引券」も対象なのは大阪府のみだ。

 ただ、規制条例をめぐる訴訟もあった。京都府は公共施設から200メートル以内の営業を禁じ、閉店した元経営者が「営業の自由」を保障した憲法に違反するとして提訴。京都地裁は「営業の自由を合理的裁量を超えて制限するもの」と違憲との判決を出したが、大阪高裁は合憲、最高裁も「公共の福祉のために必要性、合理性がある」として合憲と判断した。

 出石(いずいし)稔・関東学院大教授(行政法)は「規制は権利を侵害する側面もある。運用を含め、行き過ぎた規制であってはならない。権利とのバランスを検討し、どのような街にしたいのかという議論を深める必要がある」と指摘する。