[PR]

 ローマ・カトリック教会のフランシスコ教皇が25日夕、首相官邸で安倍晋三首相と面会した。その後、官邸のホールで開かれた首相や各国駐日大使らとの集いで、広島と長崎での原爆投下に触れ、「破壊が二度と繰り返されないよう、阻止するために必要なあらゆる仲介を推し進めてください」と呼びかけた。

 教皇は官邸での演説で、民族間や国家間の紛争に触れ「対話こそ人間にとって唯一ふさわしく、恒久的平和を保証しうる手段」と指摘。「核の問題は多国間のレベルで取り組むべきだと確信している」と語った。

 また、就任以来「貧者の教会」を掲げる教皇は、世界的な貧富の格差の広がりに言及したうえで、日本政府に「国家間の協働責任の意識を高める啓発を続けてくださるよう励まします」と求めた。

 また、首相は教皇の演説に先立つあいさつで、「日本とは、唯一の戦争被爆国として『核兵器のない世界』の実現に向け、国際社会の取り組みを主導していく使命を持つ国」と強調し、「私たちはこれからも、核兵器国と非核兵器国の橋渡しに努め、双方の協力を得ながら対話を促す努力において決して倦(う)むことはない」と語った。

 今回のフランシスコ教皇の訪日は、2014年に安倍首相がバチカンでの会談で直接要請したことがきっかけ。その後、外相のほか首相側近も複数回バチカンを訪れた。

 政府の狙いについて、名古屋市立大の松本佐保教授(国際政治史)は「世界的な注目で、核廃絶をめざす日本の存在感を押し上げることのほか、北朝鮮などの問題がある中で、情報収集力の高いバチカンとの連携を強める狙いがあったのでは」と語る。(楢崎貴司、吉川真布)

こんなニュースも