香港区議選、総得票数に見えた分断 中国側は驚き隠せず

有料記事

香港=西本秀 北京=西村大輔 香港=高田正幸
[PR]

 政府への抗議デモが続く香港で24日にあった区議会選挙で民主派が圧勝した。だが、香港政府や中国政府に譲歩の余地はなく、出口の見えない状況は変わっていない。

 香港全域で開票作業が行われた25日未明。民主派の当選が続々と伝わると、抗議デモを機に初めて選挙運動に関わった若者らが、拳を振り上げたり跳びはねたりして喜びを爆発させた。

 選挙で示された「民意」をてこに、民主派は警察の暴力を検証する調査委員会の設置や普通選挙の導入など、デモ隊が掲げる五大要求の実現を迫る構えだ。

 圧倒的な選挙結果の背景にあるのは、歴代最高となる71・23%という投票率の高さだ。

 今回の区議選では「首投族」と呼ばれる初めて投票を行う有権者が大幅に増え、有権者の約1割に達した。そのうち半数を18~35歳の若い世代を占める。

 「政治に興味のなかった人々が目覚めた」(リンゴ日報)。その多くが民主派に投じられたとみられる。

 一方、今回の圧勝は小選挙区制による部分も大きいとも指摘される。香港メディアによると、民主派と親中派の総得票数の割合はおよそ3対2。社会の安定を取り戻したいと、政府寄りの親中派に投じた有権者は少なくない。選挙で示された民意と社会の現状には少なからぬズレがあり、社会の分断はなお深刻だ。

 「今日の勝利はただの始まり…

この記事は有料記事です。残り1543文字有料会員になると続きをお読みいただけます。

【10/25まで】すべての有料記事が読み放題!秋トクキャンペーン実施中!詳しくはこちら