拡大する写真・図版 ドイツ東部ドレスデンにある宝物館「緑の円天井」の一室。2019年4月9日撮影=AP

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 ドイツ東部ドレスデン中心部にある「緑の円天井」と呼ばれる宝物館に25日早朝、何者かが侵入し、宝石を盗んで逃走した。被害品について、宝物館を管理するザクセン州立美術館の館長は「価値は算定できない」としているが、大衆紙ビルトは、10億ユーロ(約1200億円)に上る可能性があると報じた。

 地元警察などによると、盗まれたのは、18世紀初頭につくられたダイヤモンドなどの宝石が連なった装飾品3セット。館内にいた警備員は宝石が盗まれていることに気づき、同日午前5時前に警察に通報した。防犯カメラに犯人2人の姿が映っていたという。

 ビルト紙は、犯人が宝物館の近くにある配電装置を破壊し、警備装置をまひさせたうえで、窓から侵入した可能性があると報じた。

 宝物館は、ザクセン選帝侯フリードリヒ・アウグスト1世(強健王)が1723年に建設。宝石や金銀、象牙、琥珀(こはく)など約4千点が展示されており、欧州でも最古の博物館の一つとされる。ドレスデン城と呼ばれる宮殿の一角にあり、観光名所の一つになっている。

 最も貴重な所蔵品の一つとされる41カラットの緑のダイヤモンド「ドレスデン・グリーン」は、ニューヨークのメトロポリタン美術館に貸し出されていて無事だった。

 ザクセン州のクレッチマー首相はツイッターに「盗まれたのは単なる収集美術品ではなく、私たちザクセン人自身だ」と落胆する投稿をした。(ベルリン=野島淳)