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 四つの市民襲撃事件で殺人罪などに問われた指定暴力団・工藤会トップの総裁野村悟被告(73)と、ナンバー2の会長田上不美夫被告(63)の第8回公判が26日、福岡地裁であった。1998年に射殺された元漁協組合長(当時70)がトップを務めた会社の元幹部が、事件前に組員らしき男から工事用の砂の売り込みを受けていたと証言した。

 元組合長は98年2月、北九州市小倉北区の路上で頭や胸などを撃たれ死亡。実行役の組員の有罪判決が確定している。元幹部は検察側証人として、法廷外から「ビデオリンク方式」で証言した。

 証言によると、事件前に元組合長が工事用の砂を売る会社の会長を務めていた頃、右手の指が欠けた男が来社。「ナカムラ」という名刺を持ち、元幹部に「砂を購入してほしい」と頼んだ。だが元幹部は「その費用では受けられない」と断った。

 元幹部は「ナカムラ」の下の名前や名刺の肩書は「もう忘れた」と話した。元漁協組合長射殺事件では、実行役の中村数年被告(73)が殺人罪などで服役中だが、「ナカムラ」が中村被告かどうかは明らかにならなかった。