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 東日本大震災の被災者が撮った写真約100枚をメッセージとともに紹介するフォトボイス展が12月2日まで、もりおか女性センター=盛岡市中ノ橋通1丁目=で開かれている。センターとNPO法人フォトボイス・プロジェクトの共催で、県内では初めて。

 フォトボイスは社会的に弱い立場にある人の声を写真を通じて発信する取り組み。震災後、吉浜美恵子・米ミシガン大大学院教授(社会福祉学)らが中心となって被災地で始め、現在では岩手県のほか、宮城県や福島県などで被災した女性50人前後が活動している。

 今月23日には写真を撮った被災者本人によるトークイベントがあり、約30人が参加した。

 福島市の女性(42)は旅先の浜辺で跳びはねる娘たちの写真を紹介し、「少しの間でも放射能から遠ざけてあげたかった」と当時の心境を語った。震災後は窓枠に粘着テープを貼ったり、換気扇をゴミ袋で覆ったりして、目に見えない恐怖と戦う毎日だったという。今でも娘には毎年、甲状腺の検査を受けさせている。福島出身という理由で相手の親に反対され、結婚が破談になったという知人のエピソードにも触れ、「一生心配し続けなければいけないのか」と声を詰まらせた。

 宮古市の伊藤エミ子さん(71)は三陸鉄道陸中山田駅で階段を上る高齢者の写真を紹介。駅舎は震災後、新たに建設されたが、エレベーターやエスカレーターは設置されなかった。「利用者が少ないのは分かるが、もう少し生活者の視点に立った復旧の形もあったのでは」と訴えた。(藤谷和広)