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 「今そこに落語と笑いを配達する演芸団」が26日夜、岩手県陸前高田市のジャズ喫茶「h.イマジン」で落語やムード歌謡を披露し、住民らは笑顔を見せて楽しんだ。

 落語家の古今亭駿菊さん(55)は落語「芝浜」を語り、東京・新宿のゴールデン街を中心に活動する歌手の浜ユウスケさん(49)はユーモアあふれた昭和歌謡で会場を盛り上げた。大船渡市出身の「お話しライブライター」の微将蓮(びしょうれん)(本名・永野紀久子)さん(50)は自ら作ったクリスマスの夜の子どもたちの物語を朗読し、聴衆を癒やした。

 会場周辺は東日本大震災で被災したかさ上げ地。民家は少なく、夜は明かりもわずかだ。落語や歌を聴いた神原津恵子さん(75)は近くの災害公営住宅で暮らす。この日は同じ公営住宅の友人と参加した。「久しぶりに心から笑った。夜に出かけるのも初めて」と語った。会場のh.イマジンも津波で被災し、10月に再開したばかり。演芸団の最初の活動が震災から8カ月後、陸前高田市の仮設住宅で始まったこともあり、再開祝いに駆けつけた。

 演芸団は東日本大震災や熊本地震などの被災地で演芸会を続けている。駿菊さんは「震災で、笑いは平穏な生活の上にのみ存在することを実感した。被災者の方が望む限り、笑いや癒やしを届けたい」と話した。(大久保泰)