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【アピタル+】患者を生きる・職場で「2型糖尿病」

 2型糖尿病の少し手前の段階で、血糖値が高くなってきた状態を「境界型」や「予備軍」といいます。合併症の進行を防ぐためにも、この段階で生活習慣を見直すことが大切です。糖尿病に詳しい市立大津市民病院の内科医、峠岡佑典さん(41)に聞きました。

拡大する写真・図版市立大津市民病院の内科医、峠岡佑典さん=大津市

 ――2型糖尿病の「境界型」とは。

 空腹時の血糖値(デシリットルあたりのミリグラム)が110から125、または、食後2時間の血糖値が140から199の場合が境界型です。これに当てはまる方は糖尿病に近い状態なので、注意が必要です。

 ――生活している中で自覚症状はありますか。

 この状態で症状がでることは少ないです。境界型の方で、足先がしびれるといった糖尿病の神経症状が出ることはまれで、頻度はかなり低いです。

 ――ではどのように気をつければ。

 境界型だと、自分で気付くのはなかなか難しいかもしれませんが、健康診断などを受けていただいていると、比較的早い段階で気付くことができるかと思います。1回でも指摘を受けていれば、それは結構大事かなと思います。遺伝的な要因もあるので、親戚や家族に糖尿病の方がいるかといったことを意識しておくのも大切かもしれません。また、肥満ですと糖尿病になりやすいので、そういうことも気にかけておくことが必要です。

 ――食事療法のポイントは。

 この食品を食べて下さいとは一概には言えませんが、基本的にはバランスのいい食事が大切です。炭水化物や脂肪が極端に多いものは避けてください。食物繊維をたくさん摂取すると、糖尿病の発症を抑える効果があると言われていて、野菜をしっかり食べていただくことも重要です。

 ――運動のポイントは。

 高齢の方の場合、特に糖尿病の合併症がないかを確認します。例えば、血管の合併症がある場合、急に運動すると発作につながることもあり得ます。無理なく続けられるものがよく、例えば散歩では、手をふって、背筋を伸ばして歩く、というのが30分ほどできればいいです。毎日できればよりいいのですが、週3日や1日おきといったかたちでも効果はあります。ただ、血糖値のコントロールがうまくできていない場合、激しい運動をするとかえって体に悪い場合もありますので、主治医の先生と相談してください。

 ――放置するとどうなるのでしょう。

 境界型のときから動脈硬化は進むと言われています。すでに動脈硬化が進んでいて足を切断しないといけない状況になって、初めて糖尿病と診断されることもあります。個人差はありますが、思いのほか合併症が進んでいることがあります。合併症を防ぐ意味でも、できるだけ早い段階で医療機関にかかってください。境界型は、5年~10年で糖尿病になることが多いと言われています。境界型と言われたら、できるだけ早い段階で生活を見直していただくのがいいかと思います。

 ――一度なると完全には治りません。病気とどう付き合っていけば。

 何歳でなるか、どういったタイミングでなるかということもありますが、一生付き合っていく病気なので医療機関とうまく付き合っていくことが大切です。家族のサポートがあれば血糖値のコントロールはしやすいですが、なかなか話せない場合は、主治医や看護師、栄養士といった人でもいいです。長く付き合っていく病気なので、自分に厳しくし過ぎると、燃え尽きてしまうこともあります。過度な負担にならないようにして、いつもよりしんどいなというときには、医療者に相談していただくのがいいかと思います。

◇ご意見・体験は、氏名と連絡先を明記のうえ、iryo-k@asahi.comメールするへお寄せください。

<アピタル:患者を生きる・職場で>

http://www.asahi.com/apital/special/ikiru/(聞き手・戸田政考)