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 日米貿易協定で関税が撤廃される米国産の農林水産品について、朝日新聞が公表資料をもとに輸入額ベースで独自に試算したところ、関税撤廃率は61%弱との結果が出た。日本政府は輸入品目ベースでの関税撤廃率37%しか公表していない。そして、これをもとに環太平洋経済連携協定(TPP)より撤廃の割合を大幅に抑えたと説明しているが、金額ベースではそれほど抑制されていないことになった。

 関税撤廃率が高くなれば、消費者にとっては関税がなくなって安く買える農産品が増えるメリットがある。一方、農産品の輸入が増える可能性が高く、国内農家には打撃となる。撤廃する品目には米国からの輸入実績がないものが多く、金額ベースの方が影響をより正確に反映する。政府は国内農家への影響を小さく見せていたことになる。

 政府は、工業品を含む全体の関税撤廃率については金額ベースで約84%と公表している。一方、農林水産品では品目ベースしか出していない。内閣官房の渋谷和久・政策調整統括官は10月27日の日米貿易協定の一般向け説明会で、「農林水産品の関税撤廃率はTPPのときは82%だったが、今回はそれより大幅に低い37%」と述べた。TPPより45ポイントも抑制し、影響を受ける国内農家を念頭に譲歩は限定的だったと成果を強調した形だ。さらにTPP加盟国に説明したところ、「各国とも『よく米相手にこれで合意できたな』という驚きのような感じで聞いておられた」とも付け加えた。

 だが、米国から輸入がない品目も多く、これらは関税を撤廃しても国内農家への影響はない。金額ベースについて、政府は「作業が複雑なため出していない。全体の数字を出しているので必要ないと判断している。TPP時にも公表していない」(内閣官房)としている。そこで、独自に試算した。

 日米協定で新たに無関税になるのは約4500億円分。今でも無関税のものも含めると約1兆700億円で、関税撤廃率は61%弱になった。

 一方、米国がいったん合意した…

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