火災報知機を直さず死亡火災 介護施設経営者を略式起訴
愛知県蒲郡市の福祉施設で自動火災報知機の故障を放置したとして、豊橋区検は25日、施設を運営する会社の男性代表を消防法違反(消防設備設置維持命令違反)の罪で略式起訴した。蒲郡市消防本部が27日、発表した。
消防本部によると、施設は、高齢者がデイサービスを利用したり、宿泊したりできる複合施設「新葵荘」(同市金平町)。消防本部は昨年8月、この施設の受信機が故障し、報知機が正常に作動しないとして同法に基づく改善命令を出した。しかし、期限の10月までに改善せず、12月18日には居室1室が焼け、男性(当時68)が死亡する火災が発生した。
消防本部は今年1月、県警蒲郡署に告発。設備が改善されたことを確認し、9月に命令を解除したという。男性代表は取材に、「命令に対処するには莫大(ばくだい)な資金が必要で、空調設備の工事を進めていた当時は難しかった」と話した。消防本部予防課は「報知設備が改善していたら、尊い命が救われたかもしれない。今後も迅速かつ、厳正に対処していく」と話している。
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