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 スーパーコンピューターをはるかに超える次世代の「量子コンピューター」について、政府の有識者会議は27日、20年後となる2039年以降に実用化させるとするロードマップ(行程表)を盛り込んだ国家戦略案をまとめた。

 政府は量子コンピューターなど量子技術をAI(人工知能)やバイオと並ぶ重要分野と位置づけ、有識者会議が国内の専門家80人以上に聞き取りをして重点項目を絞り込んだ。

 行程表では、5年以内に一部の計算でスパコンを超え、10年後に性能をさらに倍にし、20年後以降に幅広い用途に使える本格的な量子コンピューターを実用化させるとした。開発拠点となる大学や研究機関を5年間で5カ所以上指定するほか、10年以内に量子関連のベンチャーが10社以上創設されるよう促す。

 量子技術は米中などが開発に力を入れており、米政府は約1400億円を投じる方針を決めたほか、中国も約1200億円をかけた研究拠点を来年完成させる予定。民間企業でも、米IBMがここ5年間で約3300億円を投資。米グーグルは先月、特殊な用途に限った量子コンピューターながら、スパコンで1万年かかる計算を3分ほどで終えたとする論文を発表した。

 日本は、年約160億円だった開発予算を来年度に倍増させる予定だ。内閣府の担当者は「日本にはコアな技術と、それを支える研究者がいる。実用化の目標が早まることもありうる」と語った。(合田禄)