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 東日本大震災の原発事故で多くの放射性物質が降ってきた福島県・浜通りの牧場の牛を描き、事故の恐ろしさや命の尊さなどを将来に伝えたいと活動する相模原市の日本画家が、初の詩画集を出版した。今も事故の影響が続く浜通りの現状を憂えながらも、浄化された美しい未来への希望を託す作品に仕上げたという。

 相模原市南区の戸田みどりさん(70)。女子美術短大を卒業後に日本画家へ師事。人の心や地球を浄化し、生命をあらわす「水」を題材に長年描き続けてきた。渦巻きながら清らかな流れをつくる水が気に入っていたが、震災で津波が多くの人命を奪う場面を目にして、絵が描けなくなったという。

 そんな中、知人の紹介で2015年に福島県浪江町の「希望の牧場」に足を運んだ。牧場は爆発した東京電力福島第一原発から十数キロに位置する。町は全町避難になり、飼育されていた牛は原発事故で被曝(ひばく)して国から全頭の殺処分指示を受けた。だが、牧場主がこの方針に反発。避難せずに牛の飼育を現在も続けている。戸田さんは半年に一度、この牧場を訪れ、ひどく毛が抜けたり、死んで骨になったりした牛たちの様子を目の当たりにしてきた。

 詩画集のタイトルは「見捨てら…

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