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野村ホールディングス 古賀信行会長に聞く

 米中の貿易摩擦、英国のEU離脱(ブレグジット)問題など日々のニュースに敏感に反応する株式市場。国内最大手の証券会社、野村ホールディングスの古賀信行会長に、景気動向や日本の課題を聞いた。

 世界に目を向けると、米中摩擦やブレグジットなど、懸念はいっぱいあります。ただ、顕在化はしていません。米国市場は最高値を更新していますし、中国も成長率が落ちたと言っても6%です。世界的には大きな問題ではありません。

 日本では、来年のオリンピック後を心配する声がありますが、世界経済にとってインパクトがあるのは米大統領選です。それまではトランプ大統領も経済を持たせるような政策をやるでしょうから、「懸念材料はあるものの底堅い世界経済」が続くでしょう。一方、次の成長を見通した投資の時代かというと、そこまでではありません。

 特に日本に足りないのは、プラスの効果を生み出す力。企業経営者たちの危惧や不安は「世界から置いていかれないか」です。日本で新しいことをやろうとすると、阻害要因が多い。

 よく言われるのは自動運転の公道走行です。中国が自由にどんどんブラッシュアップしている時、日本は規制があってできない。こういう積み重ねが周回遅れになっていく。いろいろなことにトライできる環境づくりをやっていかないといけません。

 いまは海外を含めていろんなものを取り入れ、イノベーションを起こすことが大事です。その点、ラグビー日本代表は良いモデルだと思います。

 海外の選手に日本(の文化や風習など)を理解させて、「これが日本だ」という「ワンチーム」に仕上げた。国籍にこだわる伝統的な考え方を変え、いろんな要素を取り入れながら、日本のアイデンティティーを失わなかった。「日本人だから一つだよな」では、できなかったかもしれません。多様な人が集まったからこそ、「ワンチーム」になる努力をしたはずです。(聞き手・吉田拓史)