スマートフォンや携帯電話などを使いながら車を運転する「ながら運転」の罰則と反則金、違反点数の引き上げが12月1日から実施される。そうした行為が原因の交通事故が後を絶たない現状に歯止めをかける狙いだ。
道路交通法は、運転中にスマホや携帯を手に持って通話したり、メールや通信、ゲームなどをしたりすること、カーナビやテレビに見入る行為を禁止している。
比較的軽い違反を対象とした行政処分である反則金は、こうした使用などについて3倍程度に引き上げられた。原付きが5千円から1万2千円に、二輪車が6千円から1万5千円に、普通車が6千円から1万8千円に、大型車が7千円から2万5千円に変更された。
使用によって事故を起こしそうになるなど「交通の危険を生じさせた」場合には、反則金の対象から外し、直ちに刑事手続きの対象となる。
違反点数は、使用などが1点から3点に、「交通の危険」は2点から直ちに免許停止となる6点に引き上げられた。刑事手続きによる罰則は、使用などで反則金を納めなかった場合、5万円以下の罰金から、6カ月以下の懲役または10万円以下の罰金に強化された。
信号待ちや渋滞で完全に停止している時は禁止の対象外だが、警察庁は、スマホなどについて運転前に電源を切ったり、ドライブモードに設定したりすることや、使用する場合は安全な場所に停車するよう呼びかけている。
携帯などの使用は1999年施行の改正道交法で禁止され、2004年の改正で「交通の危険」に加え、使用などだけでも罰則の対象になった。その後も違反や事故が深刻な状況にあることから厳罰化が図られた。(編集委員・吉田伸八)
■スマホ使用だと死亡割合が高…