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 愛知県豊田市で8月、運転手なしの自動運転の実験車が乗用車に衝突した事故で、実験を進めた名古屋大学と市は「コンピューターやセンサーの処理が遅れ、車の向きを誤って認識した可能性が高い」との調査結果を発表した。名大は再発防止策を講じ、12月9日から静岡県下田市で公道での走行実験を再開する。

 事故が起きたのは8月26日で、豊田市中心部の市道を時速14キロで走行中に右に曲がり、追い越そうとした後続の乗用車にぶつかった。けが人はなかった。

 実験車は、屋根に積んだレーダーで半径150メートルの範囲にある建物などを検知し、事前に記憶させた3次元地図と0・1秒ごとに照合させて走っていた。事故の1・3秒前、実際に走っている方向より左に56度傾いていると誤って検知し、ハンドルが右に曲がったことがわかっていた。

 その後の名大の検証で、実験車は0・1秒ごとの照合作業中に車体の揺れなどで負荷がかかり、データが遅れて入力されるなどしたため、車の位置や方向を検知する機能が正常に働かなくなった可能性が高いことがわかった。

 会見した名大の佐宗章弘副総長は「現在の技術レベルでは、誤検知の可能性をゼロにすることは不可能」とした上で、「運転席に人を乗せているので、(トラブルがあっても)対応できるという先入観があったと反省している」と述べた。再発防止策として、車の傾きを検知するジャイロセンサーなどと地図データとの食い違いが大きい時には自動停止する装置を取り付けたという。12月9日から静岡県下田市で、同県と合同で公道での自動運転実験を再開する。(小山裕一)