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 和歌山県新宮市出身の作家佐藤春夫(1892~1964)の「文学館」である市立佐藤春夫記念館は、開館30周年を記念した企画展「佐藤春夫と谷崎潤一郎―離れえぬ縁(えにし)―」を開催している。作家谷崎潤一郎(1886~1965)と佐藤の間のいわゆる「細君譲渡事件」を経て縁戚となった両家の関係を紹介している。

 佐藤は先輩である谷崎の推挙で中央文壇に登場するが、谷崎家に出入りするなかで谷崎の妻千代への恋心を抱く。谷崎は千代と離婚し、佐藤も妻と離婚して、千代は谷崎との間に生まれた娘鮎子を連れて佐藤と結婚(1930年)する。これが「細君譲渡事件」と呼ばれ、当時、世間で物議を醸した。

 展示しているのは手紙、原稿、写真など約100点。「これまでも佐藤と谷崎の関係について展示をしたことはあるが、記念の今回は主に佐藤家の人々に焦点を当ててみた」と辻本雄一館長(74)は話す。

 展示の目玉は、佐藤と千代の間…

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