中国総局 福田直之
デモ隊と警察がいがみあう香港の中心部で11月24日、フィリピン人のメイドが集まっておしゃべりを楽しんでいた。
香港は共働きが多く、39万人のメイドが働く。その半分を占めるフィリピン人が稼いだお金を本国に送るときに使うのが、中国IT大手アリババ集団のアプリ「アリペイ」だ。
20代のジョセリンさんは「手数料がなく、お金が早く着く」と満足そうだ。月1回、家族に500香港ドル(約7千円)以上を送る。銀行や送金業者だと手数料は50香港ドル以上になることもあるが、アリペイなら無料。送金にかかる時間は、わずか3秒だ。
このシステムを支えているのが「ブロックチェーン」。暗号資産ビットコインを実現した技術だ。取引の情報を高性能コンピューターにまとめて記録するのではなく、いくつものコンピューターに同じ情報を分散して記録するやり方だ。
記録はいくつもの場所にあり、その内容は過去から現在まで順番につづられていく。だから、後から改ざんすることはできない。記録も早い。アリペイが無料で早い送金を続けられるのも、ブロックチェーンのおかげだ。
中国では、ブロックチェーンによる社会インフラの整備が各地で進む。
香港の隣の広東省深セン市では、IT大手テンセントがブロックチェーンを使い、地下鉄運賃の領収書発行を始めた。
領収書は、利用者だけでなく税務署にも共有される。ブロックチェーンは改ざんできないので、領収書の偽造や脱税を防げるというわけだ。
ブロックチェーンを熱心に研究してきた機関がある。中国の中央銀行、中国人民銀行だ。
人民銀行は、ブロックチェーン…
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