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 高校野球における選手の負担軽減策は近年、導入へのスピード感が上がってきたといえる。

 夏の甲子園で出場校投手に対する「肩・ひじの検査」が始まったのが、1993年の第75回大会。投手の投球数について日本高校野球連盟で議論がかわされ始めたのは、2013年春の第85回選抜大会が終わった直後だったという。準優勝した愛媛・済美の2年生エースだった安楽智大投手(現プロ野球楽天)が9日間の5試合で772球を投げ、選手の健康管理をめぐって国内外で論争が巻き起こっていたときだ。

 以降、選手の健康管理への取り組みは進んだ。13年からは夏の甲子園大会で休養日が設けられ、18年春からは甲子園でタイブレーク制が採り入れられた。

 全国選手権において、延長戦を十八回で打ち切る規定ができたのは、1958年の第40回大会。2000年に十五回に短縮されるまで42年かかった。それからタイブレーク制導入までは18年を要した。

 それらに比べ、投球数制限の導入にかかった期間は短い。昨年12月、新潟県高野連が1試合100球という独自の投球数制限を春季県大会で導入しようとしたことをきっかけに、日本高野連は動きだした。今年4月に「投手の障害予防に関する有識者会議」を設けてから、約7カ月で一つの結論を出した。安楽投手の投球数が問題視されてからは7年弱だ。

 今夏の第101回大会では休養日が増え、計2日間に。選抜大会も来春から、同様に休養日を増やす。一方で、年々過酷になる夏の暑さ対策や、連投を完全になくす大会日程の工夫など、選手の体を守る課題はまだ残っている。

日本高校野球連盟の新たな取り組み

 【投球数制限】

 ●1週間計500球以内とする。登板中に達した場合は、その打者の完了まで投球可

 ●来春から日本高野連、都道府県高野連主催の公式戦で導入

 ●降雨などで試合が続行不可能になり、ノーゲームとなった試合も、投球数はカウント

 【3連戦回避】

 ●選抜、全国選手権大会、明治神宮大会、都道府県高野連主催の大会などで実施

 ●回避できない都道府県は事前に日本高野連に届け出る

 ●国体は2021年の三重国体からの実施を目指す

 【3年後の見直しに向けて】

 ●夏の選手権地方大会から投手別の投球データを収集

 ●夏の選手権地方大会でも準々決勝、準決勝後に投手の関節機能検査の実施を検討