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 激しい投げ技のある柔道は、大けがのリスクもある。「最悪の事態を避けるため」と、日本の医療関係者が柔道版「コード・ブルー」対応の道筋作りに奔走している。

 柔道ではこれまで、五輪、世界選手権などの巨大イベントでも、会場の救護班が救急救命でどんな役割を担うかが確立されていなかったという。

 なぜか。まず、脳や脊髄(せきずい)の損傷は外から見えないということがある。さらに、そもそもスポーツ界全般に「けがは当たり前」とする考え方がある。脱臼なら選手が自分で関節を入れる処置をして試合を続けることがあるくらいだ。

 とくに柔道界は救急救命の意識が薄かった。国際大会で、医師が試合会場が見える位置に確実に座るようになったのは最近のことだ。いまでも海外では医療スタッフをおいていない大会があるという。主にタイムスケジュールを守ることに重きを置き、負傷で試合が止まってしまう状況を必要以上に疎んじる傾向もあった。

 この状況を改善しようと、全日本柔道連盟で中心になって動いているのが、宮崎誠司医師だ。全柔連医科学委員会の副委員長で、来年の東京五輪では、柔道競技アスリートメディカルスーパーバイザーを務める。

ラグビーW杯から刺激

 最近、刺激を受けたのは、ラグビー・ワールドカップ(W杯)日本大会だ。ラグビーは試合中の脳振盪(しんとう)の確認などに力を入れていて、このW杯では全国各地の試合会場に専門の医療スタッフがいる態勢が整えられていた。「試合場が各会場一つの団体競技と、個人戦になると会場内にいくつも試合場のある柔道の違いはある。だが、柔道も来年の東京五輪ではきちんとした態勢にしたい」と思いを新たにした。

 W杯後の11月22日、国際柔…

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