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 日記を見せてください――。そんな願いも込めて、年に700枚も年賀状を書く87歳の歴史家がいる。東京大学名誉教授の伊藤隆さん。手つかずだった戦中期など近現代の政策決定のプロセスを解明しようと、軍や政治の中枢にいた人の日記や書簡などの収集を続けて来た。ところが最近、それが難しくなってきたという。歴史資料(史料)収集の第一人者が警鐘を鳴らす。

日記はいかがですか

 《宮沢喜一元首相や、その祖父で戦前に鉄道大臣を務めた小川平吉、元経団連会長の石坂泰三など明治から現在までの史料を収集。「伊藤博文関係文書」の編纂(へんさん)や「佐藤栄作日記」の監修にも伊藤さんは携わった》

 公文書では最終的な結論しかわからない。ある事柄に至る政策決定のプロセスを知るためには、関係した個人の日記や会議の資料などの文書が非常に貴重なんです。でも、簡単に見せてもらえるとは限りません。

 だから、いっぱいいっぱい、手紙を書いたんですよ。年賀状も、書いても書いても終わらなくて。今年は700枚弱くらいかな。あるご遺族には30年間、年賀状に「日記はいかがですか」と書き続け、ようやく日記を見せてもらったことがありました。

 遺族の方も、だんだん、年をとってくるとなんとかしなきゃいけないと思うでしょう。だから思い出してもらい、見せてもらえるように、書き続けるんです。自分の弟子はもちろん、付き合いのあった新聞記者にも「史料を発掘してください」と書きますね。

遺族の見つけ方

 史料を持つ人を探すために活用…

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