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 森林火災が続くオーストラリアで、首都キャンベラなどで年越し花火の打ち上げが中止が相次いでいる。今週に入って気温が上昇し、火災の起きやすい状況になっているためだ。ただ、最も有名なシドニーの花火は消防当局が実施を認めた。消防隊員らのことを考えて中止すべきだとの声も出ている。

 公共放送ABCによると、キャンベラのほか、シドニーのある南東部ニューサウスウェールズ(NSW)州では10カ所で花火が中止や延期になった。一方、シドニー中心部の花火は、中止を決めた地域よりも気温が低いなど気象条件を考慮し、実施が認められた。

 シドニーの花火は、街のシンボルであるハーバーブリッジやオペラハウスに近いウォーターフロントで10万発が打ち上げられる。世界の大都市でも、最も早い年越しの花火の一つで多くの観光客を集め、600万豪ドル(約4億6千万円)の費用に対して、1億3千万豪ドル(約100億円)の経済効果が見込まれるという。

 ただ、10月以降、森林火災が各地で続き、延焼面積が計500万ヘクタールに達する事態に「花火にかけるお金を、消防隊員や、(火災で影響を受ける)農家や野生動物の保護団体のために使うべきだ」として、各地の花火の中止を求めるネット上の署名が、31日朝までに約28万人分も集まっている。

 森林火災は30日から31日にかけても、約300カ所で発生。NSW州では30日、ボランティアで消火活動に参加していた男性(28)が消防車両で移動中の事故で死亡し、南東部ビクトリア州では31日朝、火災で4人の行方がわからなくなっている。(シドニー=小暮哲夫)