斉藤寛子
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再会した山中大河さん(左)に「グローブを使えるようなった」と報告する松本遼くん=2019年6月19日、高知市の県立障害者スポーツセンター、斉藤寛子撮影
「野球がやりたい」
三男の遼くんがそう言い出したのは、幼稚園の年長になって間もない一昨年の春だった。中学2年と小学5年の2人の兄も、幼いころから野球漬けの日々を送ってきたから、予想はしていた。しかし、母親の松本千世(ちせ)さん(44)=高知市=はどうやってあきらめさせるか、頭を抱えた。
数カ月後。子どもたちが寝静まった後、居間でくつろいでいて、テレビの高校球児の姿に釘付けになった。左手にはめたグラブで捕球し、グラブを右脇に抱えてから、左手で投げていた。
夏の甲子園に出場していた高知商業の主将、山中大河さん(19)を紹介する特集だった。生まれつき右手の指が2本だと番組は伝えていた。右手を服の袖に隠す、園児のときの山中さんのしぐさは、遼くんと一緒だった。
遼くんは、生まれつき右手足にまひがあった。兄のまねをして、ボールを投げたり、おもちゃのバットを振ったりするようになったが、右手にはボールやバットを握る力がなかった。
山中さんのお母さんに話を聞い…
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