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 日本中をわかせた2019年のラグビー・ワールドカップ(W杯)から約2カ月。世界の一流選手が披露したプレーが、高校年代の選手にも浸透している。大阪・東大阪市花園ラグビー場で開かれている第99回全国高校大会出場校の指導者たちに見解をたずねた。

 「オフロードパスが増えた」と石見智翠館(島根)の安藤哲治監督は語る。タックルを受けながら体勢を崩してでも味方に球をつなぐ技術で、片手でのパスになりがち。そのためミスするおそれもあるが、球がうまく渡れば、相手に防御網を整える時間を与えず、かさにかかって攻め込める利点がある。W杯で、日本代表が初の8強入りをたぐり寄せるトライにつながったプレーだ。

 監督歴19年の安藤監督は「昔は片手パスはやらせなかった」と言う。だが、W杯を見た選手が練習でやり始めた。W杯後には、同校OBで日本代表のSH茂野の指導も受けた。「強豪にはリスクあるプレーを成功させないと勝てない」と、逆サイドへ大きく展開するキックパスも試みるようになったという。

 8強入りしたBシード東海大仰星(大阪第3)の湯浅大智監督は「私たちは増やしたわけではないが、(技術に関する)情報の伝達が速くなり、各地域でスキルが上がったことで、他のチームでもそうした場面(オフロードパスなど)が増えたのではないか」とみる。

 3日の準々決勝でも、オフロードパスやキックパスに挑戦する選手の姿があった。実力校が残った4強の対戦では、こうした大胆なプレーが勝敗を分けるかもしれない。(菅沼遼、木村健一)

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 第99回全国高校ラグビー大会は5日、大阪・東大阪市花園ラグビー場で、準決勝2試合が行われる。第1試合は、優勝した92回大会以来となる4強入りを果たした常翔学園(大阪第2)と、初優勝を目指す御所(ごせ)実(奈良)の顔合わせ。第2試合は、前回大会準優勝で全国選抜大会3連覇中の桐蔭学園(神奈川)と、3大会ぶり7度目の頂点を狙う東福岡が対戦する。