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医の手帳・小児がん(1)

 子どもにもがん(悪性腫瘍(しゅよう))ができます。「小児がん」と呼び、大人のがんと区別しています。

 小児がんは、全国で2千人から2500人ほど発生し、がん全体の約0・5%を占めます。内訳は、白血病が最も多く3割強を占め、次に脳腫瘍(約20%)、神経芽腫(7%)、リンパ腫(7%)が続きます。ほかに腎芽腫、肝芽腫、網膜芽腫、骨肉腫、ユーイング肉腫などが含まれます。成人の「5大がん(肺がん、胃がん、大腸がん、肝がん、乳がん)」が見つかることは非常にまれです。小児がんの多くは胎児組織から発生すると考えられており、通常は生活習慣と関連がありません。

 発症時に特徴的な症状はありません。発熱や腹痛などありふれた訴えで始まることが多く、症状の推移や身体所見から、まずは疑いを持つことが重要です。治療は、血液がん(白血病やリンパ腫)であれば薬物療法(抗がん剤治療)が中心となり、難治例では骨髄移植や臍帯血(さいたいけつ)移植をします。おなかの中にできる小児がん(神経芽腫など)や骨や軟部組織にできる肉腫の場合は、抗がん剤治療、手術、放射線治療を組み合わせます。発生数が少なくまれな病気が多いので、専門医の診療を受けることをお勧めします。日本小児血液・がん専門医研修施設は指導医数、専門医数、症例実績により審査・認定されているので、病院選びの一つの指標になります。また、小児がん治療では半年から1年程度の非常に長い入院治療が必要なので、院内学級や病棟保育など、子どもに特化した療養支援体制が整っていることも重要です。

 小児がんは不治の病とされた時代もありましたが、現在では7~8割で治癒できるようになりました。子どもは発育途中にあるため、抗がん剤、手術、放射線治療の合併症がすぐには表れないことがあります。そのため、病気が治ったあとも、長期にわたる定期的な受診が必要です。(新潟大学医歯学総合病院 今井千速准教授<小児科>)