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 2カ月にわたって大規模な反政府デモが続くイラクで1日、国民議会(国会)がアブドルマハディ首相の辞任を承認した。デモ隊は政治体制の変革を求めており、デモが収束するかは見通せない状況だ。

 反政府デモは、政府の汚職や失業問題、脆弱(ぜいじゃく)な公共サービスへの不満に端を発して10月1日に始まり、治安部隊が実弾を使って応酬している。AFP通信などによると、これまでに約420人が死亡した。市民の怒りは、イラクに強い影響力を持つ隣国イランにも向いており、イラン領事館が相次いで放火される事態に発展した。

 こうした事態を受け、イラクで大きな影響力を持つイスラム教シーア派の最高権威シスターニ師が11月29日、国会に対して、現政権に退陣を求めるよう暗に促した。その直後にアブドルマハディ氏が辞任を表明していた。

 今後、サレハ大統領が新たな首相候補を指名するが、各勢力の思惑がからみ、後任選びは難航が予想される。(アルビル=高野裕介)