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 東京五輪・パラリンピックに挑むトップアスリートたちが、ふとした瞬間に見せる苦悩や本音。つぶさに見てきた記者だからこそ触れられる、一押し選手のとっておきのエピソードを紹介します。

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 競技場から駐車場に急いで向かうとジャガーのSUV(スポーツ用多目的車)が目に飛び込んできた。

 2016年リオデジャネイロ・パラリンピック陸上男子走り幅跳び(義足)で銀メダルを獲得した山本篤(新日本住設)の愛車だ。即金で約900万円を払い、昨春手に入れた。深みのある赤の車体の輝きに、プロとして歩むパラアスリートの成功を感じさせた。

 19年10月、高松の陸上競技場。私は東京パラリンピック代表選考を兼ねたパラ陸上の世界選手権に向けた強化合宿を取材するため、競技場入りする代表選手たちを待っていた。そこに現れたのが山本だった。

 山本 「見てくれました? 駐車場にある僕の車」

 記者 「見てないわ。新しく買ったんですか?」

 山本 「買ったんで、見てきてくださいよ」

 スズキ自販近畿を17年9月末に退社し、プロ活動を始めて2年。「結果を出さないといけないのは、前と変わらない。パラでもプロとして実績を積めば稼げるというのを知ってほしい」。言葉に実感がこもる。

 リオ大会前もプロ転向について…

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