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 東京都世田谷区の認可外保育施設で、運営会社の経営者が11月末に突然、倒産手続きを始めたことを理由に閉園の方針を打ち出し、保育士らが自主運営する異例の事態になっている。都と区は今月2日に現地で調査をし、事実関係を確認。今後も安全確認を続ける。

 関係者によると、この会社はほかにも園を運営していたが、10月末に閉じ、通っていた子の一部が世田谷区の園に移った。ところが11月29日夕、経営者側がこの園もやめると伝えたため、保育士らが「突然閉園すると子どもたちの預かり場所がなくなる」と、自主的に運営を続けることを決めた。保育士らによると、残業代の未払いや給与の遅延が続いていたという。会社の破産手続きの代理人弁護士によると、会社としては29日で営業をやめ、施設も閉鎖する予定だったが、職員が残っていたため、できなかったという。

 都と区は今月2日、現地で調査し、閉園と保育士による自主運営を確認した。今後は、園児の保育環境が適切かどうか、継続して確認するという。都の担当者は「一般論として、運営状況が不安定では園児の安全が確保されているとはいえない」と指摘した。区によると、この施設は10月に始まった幼児教育・保育の無償化の対象となっているが、対象年齢の子はいないという。

 都によると、この施設は、昨年度の一般立ち入り調査で消防計画がないことや入所児童の健康診断がなされていないことについて指摘を受けた。しかし、改善の報告書は提出されず、さらに今秋の調査ではこうした点に加え、入所児童がいるのに職員が1人だけの時間帯があるなどの問題も指摘されていた。また、10月に閉園した系列の園でも、昨年度の調査で入所児童数に対し保育士資格を持つ職員が足りないことや、1人勤務の時間帯があることなどを指摘されていた。(仲村和代、国米あなんだ)