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 「プロ野球」と言えば、セ・パ両リーグ。誰もがそう思い浮かべるが、日本野球機構(NPB)が統括する両リーグ以外にも、別の「プロ」の世界がある。

 現在3リーグが活動する野球の「独立リーグ」。兵庫、大阪、和歌山など、関西を中心としたチームで争う「関西独立リーグ」に、今年、新たなチームが参戦した。堺市に拠点を置く「堺シュライクス」は、同市内の企業などがスポンサーとなり、昨年設立された。「シュライク」とは市の鳥、百舌鳥(もず)の英名だ。監督は、近鉄など4球団でプレーした大西宏明さん(39)。かつて大阪・PL学園で、横浜高校の松坂大輔さんと名勝負を生んだ「松坂世代」の1人だ。

 チームには様々な経歴の選手が集まる。高校や大学を卒業後にNPB入りには力が及ばなかった人、NPBの球団から戦力外を通告された人、世界の野球リーグに挑み、敗れて流れ着いた人。みなNPB入りや野球人生最後の時間を求め野球に打ち込む。

 プロとは言え、環境は厳しい。選手らはチームの練習や試合をこなしながら、練習前後の準備や片付け、グラウンド整備なども全て自分たちでする。最低限の衣食住は保障されているものの給料はほぼ無く、練習の合間にアルバイトで稼ぐ月数万円で生活をつなぐ。だが、いつまでも契約が続くわけではない。

 今秋のドラフトでは、別リーグの選手数人がNPBから指名を受けたが、同リーグからの指名は無かった。現実を突きつけられ、一般企業に就職して去っていく人もいる。年齢や技術、精神面などで選手に退団を促すこともある。球団代表の夏凪(なつなぎ)一仁さん(38)は「残酷ですが、ここは夢を追う場所である一方、夢を諦めさせる場所でもあるんです」と話す。

 初参戦の今年、チーム成績は45戦18勝27敗の最下位。11月末、今季の契約が終わり、約30人いた仲間のうち12人はこの場所を去る。(金居達朗)