拡大する写真・図版 丸みを帯びた腰回りをプレス機とアイロンで仕上げる。「うちのスラックスは履き心地がいいと言われます」=長崎県松浦市、長沢幹城撮影

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凄腕しごとにん

 エミネントスラックス 腰プレス担当 山内佳世子さん(57)

 かつて炭鉱の街として栄えた長崎県松浦市。海に面した街の中心部にあるスラックス(ズボン)専門の製造メーカー・エミネントスラックスで、「腰プレス」と呼ばれる仕上げの作業を受け持っている。

 生地を裁断し、縫製してボタンを取り付けるなど、1本のスラックスの完成までには123以上の製造工程がある。完成品に近づくにつれ、目立つのが腰回りに残ったしわ。これを取り除くのが仕事だ。

「お化粧」のように

 スラックスの腰からお尻の部分を、丸みを帯びたプレス機の土台にかける。足元のペダルを踏み、熱い上ぶたを下ろして生地を挟み、手元のレバーも使って蒸気を当てて形を整えていく。8回に分けて挟む位置を変えて繰り返し、その都度、取り切れないしわに手元のアイロンをテンポよくかけていく。形を崩さず、つるりとした平面に仕上げる仕事ぶりは、さながらスラックスの「お化粧」だ。

 家庭でスラックスにアイロンをかけても、店で買ってきたときのような仕上がりにはならない。そのわけは、平均的な日本人の体形にあるという。欧米人に比べてお尻の位置が低く、出っ張っているため、スラックスの腰回りには立体的な丸みとゆとりが持たせてある。このシルエットを崩さず、いかにしわを取っていくかが仕事の肝だ。

1日200本

 生地の素材や糸の太さ、縫い方によって、生地を押さえる時間や蒸気の量、乾燥のやり方は変わる。

 もともと水分を多めに含むウー…

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