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 ローマ教皇が11月に長崎市で開いたミサに招待された韓国人被爆者らが、福岡空港での入国審査で約5時間にわたり足止めされていたことがわかった。被爆者らは3日、韓国政府に対し、日本側から理由を聞き取るよう文書で要求する。福岡出入国在留管理局は取材に対し、事実関係を認めたうえで「具体的内容は説明できない」としている。

 韓国原爆被害者協会によると、韓国人被爆者3人を含む計11人は11月23日午前、翌日に長崎市で予定されたミサに出るため、ソウルから福岡空港に到着。入国審査で別室に移され、入国目的に関する質問や持ち物検査のためとして、約5時間留め置かれた。一行は、韓国人被爆者は日本の植民地支配のために被爆したと訴える教皇宛ての手紙を持参していた。24日のミサには出席できたという。

 協会側から連絡を受け、空港に駆けつけた後藤富和弁護士は「入管の対応は違法とまでは言えないが、在韓被爆者の訴えを教皇に伝えたくないためだと勘ぐられてもおかしくない」と指摘。一行を率いた同協会の沈鎮泰(シムジンテ)・陜川支部長(76)は「これまで多くの日本国民に親切にされてきたのに失望した」と話した。

 同管理局は朝日新聞の取材に対し、「法令に基づいて手続きをしており、不必要な時間はかけていない」としている。

 協会は、広島、長崎で被爆した韓国人被爆者が1967年、日韓両政府に援護措置を求めるために設立した。2016年5月にオバマ大統領(当時)が広島を訪問した際にも訪日団を送り、米国の謝罪や賠償を求める手紙を渡そうとしたことがある。(陜川(韓国・慶尚南道)=武田肇)