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 「今も時が止まったままだ」「悪い夢であってほしい」。交通事故で愛する家族を失った遺族たちの悲痛な声だ。遺族らで作る「北海道交通事故被害者の会」が、今年で結成から20年を迎えた。悲しみの中で、それでも交通事故ゼロを願って活動してきた人たちの歩みを追った。

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 小学校1、2年生の背丈ほどの本棚に、絵本、怪談話、伝記といった児童書が並ぶ。どの本も表紙を開くと、笑顔の男の子が描かれた黄色いシールに、メッセージが添えられている。

 「この笑顔(えがお)のように子供(こども)たちが 楽(たの)しく 元気(げんき)ですごしてほしい 交通(こうつう)ルールを守(まも)り事故(じこ)にあわないように気(き)をつけて下(くだ)さい」

 札幌市北区の佐藤京子さん(57)は今年11月、長女の茜利(あかり)さん(20)とともに近所の新川中央小学校の図書室を訪ねた。すり切れた本を手に取り「大切に読んでもらってきたんだね」。本は京子さんが同校へ贈ってきたものだ。20年間で252冊を寄贈した。京子さんの次男の名前にちなんで「博勇(ひろむ)文庫」と呼ばれている。

 博勇君は小学校2年生だった1994年の夏休み、自宅近くの駐車場で自転車に乗っていたところを宅配中の車にひかれて亡くなった。家では「ヒロ」と呼ばれていた博勇君。7歳だった。

 事故から5年後の99年、北海道警が子どもを失った親たちの手記「癒されぬ輪禍」をまとめた。「元気に『行って来まーす』と言っていたのに。余りに短い別れ、今でも息子の机の上には、夏休みの計画表が7月27日の所で止まったまま」と思いをつづった。

 ヒロは本が大好きだった。99…

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