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 香港政府の林鄭月娥(キャリー・ラム)行政長官は3日の記者会見で、今年度の政府の財政収支が16年ぶりの赤字に転落するとの見通しを明らかにした。抗議デモを受け、小売業や観光業などの業績が悪化し、税収が落ち込んだためだという。失業率の上昇が懸念されるとして、「第4弾」となる追加経済対策を近く打ち出す方針も示した。

 政府は当初、来年3月までの今年度の財政収支について、168億香港ドル(約2300億円)の黒字になると試算していた。財政赤字になれば、新型肺炎SARSが流行し、観光客が大幅に減った2003年度以来となる。

 政府の統計によると、10月の小売業の売上高は前年同月比24・3%減で、減少率は過去最大だった。10月の訪問客数も同43・7%減と大きく落ち込んだ。6月のデモ拡大後、中国本土から来る観光客向けの小売店や飲食店の閉鎖が相次いでいる。

 一方、林鄭氏は米国で成立した「香港人権・民主主義法」について「強烈に反対する」と表明した。米軍艦の香港寄港拒否など、中国政府が2日に公表した米国への報復措置に関しては「香港政府は中国政府に協力・対応するだけだ」と述べたが、報復の具体的な内容には言及しなかった。(広州=益満雄一郎)