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 自動車事故の被害者を支援している独立行政法人「自動車事故対策機構(NASVA)」は4日、事故で脳に重度の意識障害を負った人を専門に治療・看護する施設として、四国で初めて松山市民病院と委託契約を結んだと発表した。今年度中に患者を受け入れる予定。

 NASVAは全国10カ所で療護施設を運営・委託し、車の事故で脳に重度の意識障害を負い、自力移動や摂食ができない患者を受け入れてきた。2017年度までに四国4県から58人、うち愛媛県からは17人が四国外の施設に入院。その多くが四国の最寄りの岡山市の療護施設という。

 NASVAの浜隆司理事長は「できるだけ自宅の近くで入院したいと家族からの声も寄せられている。これまで地理的に遠いなどの理由で入院を断念していた人に活用してほしい」と説明。空白地域だった四国に全国11番目の施設として、松山市民病院と委託契約を結んだ。

 5病床用意し、運動機能や摂食機能など6項目ごとに患者の重症度を測り、入院条件を満たすか判断する。一般の病院では症状が落ち着くまでしか入院できないことも多いが、専門療護施設は最長3年の長期入院が可能という。

 患者のわずかな意識の回復の兆しを捉えられるようフロア内の仕切りを少なくし、患者1人当たり1・3人の看護師で手厚く対応する。松山市民病院は脳神経外科や内科、外科もある総合病院で、浜理事長は「交通事故では骨折や内臓損傷などが同時に起こる。市民病院では早期に様々な治療が同時にできる」と期待を寄せる。(藤井宏太)