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 任天堂のゲーム機「ニンテンドースイッチ」が中国でも売り出される。任天堂は過去にも中国市場に挑んできたが、受け入れられなかった経験を持つ。現地ではスマホやパソコンのゲームが席巻しているが、専用機ならではの遊び方をPRし、巨大市場を攻略する。

 販売代理店の中国IT大手、テンセントが4日発表した。同日から予約を受け付け、10日からインターネット通販や店頭で販売する。本体価格は2099元(約3万2千円)。日本でも人気のアクションゲーム「New スーパーマリオブラザーズ U デラックス」も、299元(約4500円)で売り出す。

 中国でも定着しつつあるクリスマス商戦にあわせ、「マリオカート8デラックス」「スーパーマリオオデッセイ」といった人気タイトルも順次投入していく。今後、任天堂以外の会社が手がけたゲームも、テンセントを介して販売する。

 任天堂は2003年に中国専用のゲーム機「iQue Player」を出して参入し、05年には携帯型の「ニンテンドーDS」の現地版も投入した。その後、中国ではスマホやパソコンが急速に普及し、ゲーム機で遊ぶ文化が浸透しなかった。今回は中国最大手のゲーム会社でもあるテンセントと組み、現地での販売ノウハウを生かして再挑戦する。

 中国は日本や米国と並ぶ「ゲーム大国」だ。

 だがゲーム機で遊ぶ人はまだ少ない。米調査会社ニコパートナーズによると、18年のスマホとパソコンゲームの市場規模は、それぞれ150億ドル(約1兆6千億円)超で、ゲーム機はその5%の7億7千万ドル(約840億円)にとどまる。テンセントもゲーム機「ミニステーション」を出したが、うまくいかなかった。

 スイッチはテレビにつなぐ「据え置き型」と、テレビから外して持ち運べる「携帯型」の両方の特徴を持つ。スマホゲームに慣れた中国の人たちにも受け入れられやすいとみられる。

 また、「スーパーマリオ」や「ポケットモンスター」といったゲームは中国でも人気が高い。スイッチにはテンセントのゲームを「移植」することもできるとみられ、「不毛」だったゲーム機市場を切り開けると期待が高まっている。

 スイッチを皮切りに、ソニーのプレイステーションや、米マイクロソフトのXboxの新製品も近い将来投入されるとみられる。ニコパートナーズは23年のゲーム機市場を現在の2倍の15億ドル(約1600億円)に膨らむとみる。(福田直之=北京、久保田侑暉)