「生きておれ。病は後で治す」 中村医師は井戸を掘った

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佐々木亮 渋井玄人、武石英史郎 バンコク=乗京真知
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 30年以上、アフガニスタンの復興を支援してきたNGO「ペシャワール会」現地代表の中村哲医師(73)が、道半ばで命を奪われた。医療の枠にとどまらず、農業にも力を尽くし、現地の人たちに感謝されていた中村さん。事件は、悪化する治安に警戒しながら活動する中で起きた。

周囲に語っていた「あと20年は活動を続ける」

 一報を聞いて福岡市のペシャワール会事務局に駆けつけると、4日付で刷られた会報がテーブルに並んでいた。中村哲さんが決意をつづっていた。「この仕事が新たな世界に通ずることを祈り、真っ白に砕け散るクナール河の、はつらつたる清流を胸に、来たる年も力を尽くしたいと思います」

 初めて取材したのは2001年の米同時多発テロ後、アフガン情勢が緊迫し、日本へ一時帰国した際だった。以来、繰り返しインタビューをさせてもらった。活動のきっかけに話が及ぶと、いつもはにかみながらこう言った。「最初から貧しい人を助けようと思っていたわけではありません」

「合言葉は『100の診療所より1本の用水路』」――。記事の後半で、中村哲医師が残した言葉を紹介します。

 少年時代から昆虫が好き。「…

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