2020年度から始まる大学入学共通テストで導入される国語と数学の記述式問題について、政府・与党は5日、実施を延期する方向で調整に入った。政権幹部らが明らかにした。採点者の質の確保や自己採点の不一致率の高さなどが課題となっており、現状のままでは実施できないと判断した。

 公明党の文部科学部会は5日、萩生田光一文部科学相に記述式問題に関する提言を出した。提言では質の高い採点者を確保することが可能かといった課題を列挙。特に自己採点の難しさを問題視し、「現時点で、解消のめどが立っていない」とした。その上で、受験生らの理解が十分に得られているとは言い難いとし、来年度の導入について見直し・延期を検討するよう求めた。

 自民党も同日に文科部会を開催。高階恵美子部会長は「改善や見直しの判断を可及的速やかに求める」と述べ、6日に萩生田氏に自民党としての決議文を出すことを明らかにした。

 萩生田氏は5日、公明党の提言や自民党の決議について「重く受け止めている」とするコメントを出した。ただ、記述式問題については大学入試センターや採点業者と連携して改善を検討していると強調。延期の決定や検討をしている事実はないとした。

 一方、官邸幹部は「このまま実施して良いことは全くない」と指摘。自民党幹部も「見直すことになるだろう」と語った。今後、政府は自民、公明両党との調整を本格化させ、年内に結論を出す見通しだ。

 記述式問題をめぐっては、約50万人の受験生の答案を採点するため、採点者が8千~1万人必要となる。短期間で正確な採点ができるか懸念がある。特に国語では自己採点が難しく、受験生が自らにふさわしい大学を選べるか不安視されている。

 政府は11月1日に共通テストの柱だった英語民間試験の活用の見送りを表明している。もう一つの柱である記述式問題の導入も延期されれば、大学入試改革は振り出しに戻ることになる。