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 埼玉県熊谷市で2015年に民家3軒に侵入し、7~84歳の6人を殺害したなどとして、強盗殺人罪などに問われたペルー国籍のナカダ・ルデナ・バイロン・ジョナタン被告(34)の控訴審判決が5日、東京高裁(大熊一之裁判長)であった。高裁は死刑とした一審・さいたま地裁の裁判員裁判の判決を破棄し、無期懲役を言い渡した。刑が軽くなる心神耗弱状態だったと判断した。

 責任能力の有無が最大の争点だった。18年3月の一審判決は、被告が群馬県の食品加工会社で孤立し、「スーツの男に殺される」などと言って寮を離れた経緯や精神鑑定を踏まえて、被告には統合失調症による「被害妄想」があったと認定。ただ所持金が底を突いて強盗に入るなどの「目的に沿った行動をとっている」として、精神病が責任能力に著しい影響を与えたとまではいえないと判断した。

 控訴した弁護側は、被告は善悪を判断したり犯行を思いとどまったりする力を失った心神喪失の状態で、責任能力がなかったと無罪を主張。少なくとも、そうした力が著しく欠けた心神耗弱の状態で刑を軽くすべき事案にあたり、死刑は適用できないと訴えていた。

 一審判決によると、被告は15年9月14~16日、民家3軒で①田崎稔さん(当時55)と妻美佐枝さん(当時53)を室内の包丁で殺害して現金9千円と車の鍵などを奪い②白石和代さん(当時84)を殺害して別の包丁を奪い③加藤美和子さん(当時41)、長女美咲さん(当時10)、次女春花さん(当時7)を殺害して車の鍵を奪うなどした。