創設70年を迎えた、米国とヨーロッパ中心の軍事同盟、北大西洋条約機構(NATO)の加盟各国の足並みがそろわない。どう進むべきなのか。2014年までNATO事務方トップの事務総長を務めたアナス・フォー・ラスムセン氏(元デンマーク首相)に聞いた。
――あなたが事務総長だったときは米国と協力を強めました。しかしトランプ米大統領は同盟関係の深化に後ろ向きです。マクロン仏大統領からは「NATOは脳死状態」との発言もありました。同意しますか。
「同意できません。NATOの同盟国はかつてないほど強くなっています。この5年でも数千億ドル(数十兆円)投資して防衛力を強化し、冷戦終結後、最も多くの部隊を東欧に展開しています」
「マクロン氏の言葉は危険です。トランプ氏が『NATOは時代遅れ』と言うのと同じくらい、NATOを傷つける。(集団防衛を定めた)NATO条約5条に疑念を抱くことは、政治的にも組織を弱めてしまいます」
――トランプ氏は欧州の同盟国が守ってほしいのであればもっと防衛費を支出するよう要求しています。
「欧州の同盟国にもっと公平…
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