[PR]

 9日、プロ野球ロッテの新入団選手発表会に臨んだ岩手・大船渡高の佐々木朗希(ろうき)投手。「技術は抜きんでているが、普段は普通の高校生」。高校球児として前人未到の最速163キロを記録し、ドラフト1位で入団する18歳について、担当スカウトとして密着マークした柳沼強さん(45)が、その素顔を明かしてくれた。

 柳沼さんが最初に佐々木投手を見たのは3月末、栃木県内であった作新学院高との練習試合だった。気温は5度前後。冬の厳しさが残るマウンドで、佐々木投手の1球目は手元のスピードガンで145キロを計測した。「力感なく投げて、この球速ですよ。こんな高校生がいるのかと驚いた」

 翌月には練習の様子をチェックするため、岩手県大船渡市にある高校へ向かった。佐々木投手はノートを取りながら、仲間と相談してメニューを決め、黙々と練習をこなしていた。「自分でうまくなるために考えるタイプ。1軍の投手にも多い」。プロの適性を感じた。

 練習や試合のグラウンドに足を運んだ回数は13回。担当した他の選手より多い。公式戦を最前列で見るため、朝4時から球場前に並んだこともあった。自身のスマートフォンに残す「スカウトメモ」には、「素晴らしいの一言」「全く言うことがない」などと評価が積み重なっていった。

 ドラフト会議の2日前にあった球団のスカウト会議では井口監督らの前で一番最初にプレゼンした。満場一致で、佐々木投手を1位で指名することが決まった。

 球速のほか、変化球のブレーキとコントロールなどすべてが超高校級の評価。一方で、グラウンド外の佐々木投手を知る柳沼さんは「おとなしいが、向上心と研究心を兼ね備えた高校生。契約時は、熱心にプロのトレーニング方法を質問してきた。最初は会話でも緊張していた様子だったけど、よく笑う。ぼくの冗談にも、しっかり反応してくれますよ(笑)」と話す。

 今年から球団スカウトになった柳沼さんは、これまで19年間、ブルペン捕手一筋だった。球を受けた投手は100人を超える。「朗希君の球も捕ってみたい、と思わせる投手。あれだけ足を高く上げる体幹の強さもあるし、全ての球が一級品。20勝できる投手になるために、しっかりプロで戦える体を作ってほしい」と期待を込めた。(室田賢)