[PR]

 九州新幹線西九州ルート(長崎新幹線)の未着工区間である新鳥栖―武雄温泉間について、国土交通省は、着工に必要な環境影響調査(アセスメント)の費用を来年度予算案に盛り込まない方針を固めた。与党がフル規格での整備を求めているが、この区間がある佐賀県の山口祥義知事はフル規格での整備に反発しており、引き続き調整が必要なためだ。

 来年度からアセス手続きに入れなければ、先行して手続きが進む北陸新幹線の敦賀―新大阪と同じ時期に建設のための財源を議論できず、建設が遅れるとの懸念が長崎県を中心に根強い。2022年度の予定で長崎と新幹線で結ばれる武雄温泉駅で在来線と新幹線を乗り継ぐ「リレー方式」が長期化する可能性もある。

 国交省幹部は6日、「予算案に盛り込めなくても、20年度中にアセスができる手立てを考えたい」と話した。11日には山口知事と赤羽一嘉国交相が東京都内で面会する見通し。国交省側はアセス費用の計上について山口知事から同意を得ることを急がず、まずはトップ同士の信頼関係を築くことを優先し、引き続き理解を求める考えだ。

 長崎新幹線をめぐる山口知事と赤羽国交相の面会は10月に続いて2回目。前回は山口知事が改めてフル規格での整備に難色を示して終わった。

 11日にも見込まれる面談について、与党の国会議員は「とにかく山口知事に議論のテーブルについてもらうのが第一だ」と話す。

 赤羽国交相は6日の閣議後会見で「(フル規格という)与党の方針は重く受け止めている」としつつ「(知事と)率直な議論を進めていきたい」と述べた。山口知事は、建設費の県負担分などを念頭に「フル規格を前提とした議論には応じられない」とする一方、他の整備方式を含めた幅広い議論には応じる考えを示している。