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 体外受精した受精卵の染色体数を調べる「着床前診断(PGT―A)」の臨床研究が2020年初めにも始まる見込みだ。不妊治療の成功率の向上につながるか、数千人規模で調べる。日本産科婦人科学会(日産婦)と、研究責任者を務める徳島大の倫理委員会で承認された。

 受精卵の染色体数の変化は、不妊の一因とされる。通常の体外受精は受精卵を見た目で評価するが、着床前診断は、ある程度成長した受精卵から一部の細胞をとりだし、染色体を調べてから異常がないものを子宮に移植する。

 診断の対象は、①流産を2回以上経験②体外受精に2回以上連続して失敗③夫婦いずれかに染色体の構造異常がある――の3ケース。21年末までに合わせて数千人を登録する。費用は患者が負担する。

 徳島大以外の参加予定施設も順次、施設内の倫理委員会を通し、年明けにも診断を始める施設が出てくる見込みという。

 事前に行った数十人規模の予備研究では、受精卵の移植あたりの妊娠率などは改善したが、流産率の低下は示されなかった。日産婦は「サンプル数を増やすことで、どういう場合に診断の効果があるのか明らかにしたい」としている。(水戸部六美)