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 地面や樹皮などに生えるコケ植物は、ほとんどが多年生で常緑だ。それが冬の寒さに耐えるひけつを、国立科学博物館の樋口正信・植物研究部長は「細胞の水分を減らし、乾燥させて身を守ること」と話す。氷や霜がついたコケは、細胞の外の水は凍っているが、細胞の中が凍っているわけではない。そうやって寒い季節を生き延びて、暖かくなると再び活動を始める。

 「コケが美しい苔庭(こけにわ)が関東に少なく関西に多いのは、冬にできる霜柱と関係する」と樋口さん。火山灰でできた関東ローム層には霜柱がよく立つ。霜柱で地面からはがされたコケは風で飛ばされ、春までになくなる。一方、関西の花崗岩(かこうがん)が風化した土には霜柱が立ちにくく、コケ群落が保たれやすいそうだ。

 コケはほとんど常緑と書いたが、北国のヒメジャゴケは冬に枯れる。でも葉の縁についた丸い無性芽が越冬し、それが春になると成長する。(米山正寛)