写真・図版

[PR]

 10日の東京債券市場で、長期金利の指標となる新発の10年物国債の流通利回りが一時、前日より0・015%幅高い(価格は低下)0%をつけた。マイナス圏を脱するのは3月6日以来、約9カ月ぶり。世界経済の先行きへの不安が和らぎ、日本銀行の追加の金融緩和の期待も薄れているため、比較的安全な資産とされる国債を売る動きが出ている。

 10年国債の利回りは9月上旬、マイナス0・3%近辺まで低下。米中貿易摩擦が激しくなる懸念などから、国債を買う動きが強まり、3年ぶりに過去最低水準をつけていた。

 ただ、最近では米中貿易交渉への楽観的な見方もあり、長期金利の上昇傾向が続いていた。日銀が追加緩和を見送るとの見方も金利上昇を後押ししていた。

 市場では今後の先行きについて「プラス利回りになれば、(国債に)買いが入る。金利の上昇は長くは続かないだろう」(国内証券の債権ストラテジスト)との声が出ている。(笠井哲也)