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 米中貿易摩擦など通商紛争が相次ぐ中、トランプ米政権の強硬な拒絶で、世界貿易機関(WTO)の紛争解決手続きが機能不全に追い込まれた。「最高裁」不在の異常事態は少なくとも数カ月に及びそうだ。韓国などと火種を抱える日本の通商戦略も見直しを迫られる可能性がある。

 「予測はできたが、明らかに残念な事態だ」

 WTOのキース・ロックウェル広報部長は9日夕の会見で肩を落とした。

 ジュネーブで開かれたWTO一般理事会では午前中、紛争処理機関の議長を務めるニュージーランドのデビッド・ウォーカー大使らが、委員の選任と、米国の意向を盛り込んだ上級委の改革案をセットにした議案を出し、米国の歩み寄りを誘った。だが、米国は「我々の懸念が理解されず残念だ」と一蹴。「米国は何一つ提案しない」(欧州連合〈EU〉)などと反発が上がった。

 上級委が機能停止になれば、係争中の14件が宙に浮く。ウォーカー氏は調査が終わった4件について、任期切れを含む委員3人で「報告書作成は可能と理解している」と宣言。応急措置をとるのがやっとだった。だが、残りの10件はたなざらしになり、新たな案件の受理もできなくなる。

ルール空文化の恐れ

 打開の道筋は見えない。

 米国は表向き、上級委がパネルの事実認定を覆したり、国内法の解釈に踏み込む判断を示したりすることを問題視してきた。ただ、関係国は「どう問題を解決すれば良いかの議論には十分関わっていない」(在ジュネーブ日本政府代表部の伊原純一大使)と困惑する。

 トランプ政権はこれまで、安全…

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