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 東京電力福島第一原発事故の影響で一時全村避難となった福島県川内村。その食材を使った学食メニューが、玉川大学(東京都町田市)で提供されている。同村でゼミ合宿を行う学生が食材調達に関わり、メニュー考案も担った。風化しがちな災害の記憶。「忘れないで関わり続けて」とのメッセージをこめた企画だ。

 教育学部の原田眞理教授のゼミで臨床心理学を学ぶ28人が取り組んだ。ゼミでは心のケアをテーマに2013年から毎夏、同村で合宿する。ストレス解消や絆の構築につながるゲーム形式のプログラムを学童保育で実施したり、被災者の声を聞いたりしている。

 今夏のゼミ合宿でも遠藤雄幸村長ら村の人たちと交流を深め、「まだまだ復興途上。被災地を忘れないで」「風評被害にいまも苦しむ」などの声を聞いた。「いま東京でできることは?」と考え、ご当地学食の提供を発案した。

 学食運営会社と協力し、検査を経た安心安全な特産の養殖イワナやコメ、大根、白菜を調達することにした。村役場の農政担当職員を通じて仕入れ先を確保し、大学生が好むようにイワナをかば焼きや天ぷらにするメニューを考案。チラシを手作りし、ご当地学食の宣伝活動もする。ゼミ生で同県出身の佐久間結希さん(4年)は「自然豊かで水がきれいな川内の魅力を知ってほしい。何かを感じてもらえたら」と話す。13日まで。同大生に対する教育活動の一環であり、一般客の利用はできない。(木村浩之)