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 大学入学共通テストでの英語民間試験の活用が見送られたことを受け、2020年度に実施する一般選抜で活用する方針だった公立大や私立大が13日までに、対応を発表した。私大は大学によって対応が分かれ、公立大は活用しない方針の大学が大半を占めた。11月に発表済みの国立大は多くが活用をやめている。

 文部科学省によると、国の成績提供システムを使って民間試験を活用する方針だったのは、一部の学部や入試方式の活用も含め、私大が382校(65%)、公立大が78校(86%)。同省は13日までに対応の公表を求めていた。

 河合塾や駿台予備学校の集計によると、多くの私大は、これまで通り一部の学部や入試方式で活用する。

 河合塾教育情報部の富沢弘和部長は「独自に成績を集めると作業の負担が大きいため、私大は4技能を重視したい一部の学部や、特別な入試方式だけの活用が目立つ。公立大は大半が活用をやめた国立大の動きも見て、多くが活用を見送ったとみられる」と話した。

 全国高校長協会の萩原聡会長は「国立大学と同様、賢明な結果だと思う、活用する大学においても、英語の入試方針を明確にして、受験生にとって意味あるものにしてほしい」とした。

 上智大は、一般選抜で必須としていた民間試験の成績提出を任意に切り替え、受験生が希望すれば得点換算して活用する。担当者は「4技能を身につけることが大切だというスタンスは変わらない。だが、システムが使われず受験機会の格差が広がることに配慮し、成績提出を必須とすることはやめた」と述べた。

 青山学院大は、ほぼ全学部で民間試験の成績を得点換算して活用するとしていたが、取りやめる。国際政治経済学部と総合文化政策学部ではこれまで同様、民間試験で一定の水準以上の成績を取得していることを出願条件とする。

 関西学院大は、一部の入試で出願資格として活用する従来のやり方に戻した。

 一方、公立大は多くが活用しない方針に転じた。

 首都大学東京は、一般選抜の全学部で民間試験を活用し、個別試験の英語を廃止する方針だった。英語は今後も個別試験では行わず、共通テストの2技能試験だけにする。担当者は「早い段階で個別試験の英語を廃止すると発表していた。復活を求める声もあったが、受験生の不利益になる可能性がある変更を避けることを最優先した」という。

 大阪市立大も出願資格に民間試験を活用するはずだったが、取りやめた。経済学部後期入試のユニーク選抜では、特技として民間試験の成績を出すことを認める現行の仕組みを続ける。担当者は「経済・地域格差など公平性が問題になって見送られたため、原則として活用をやめることにした」とする。

 大阪府立大も一般選抜での活用を取りやめる。担当者は「独自に成績を集めた際に評価する人員の問題と、指摘されてきた格差や複数試験の成績を比べることの公平性の問題を重視して、取りやめた」とする。多くの国立大が取りやめたことも勘案したという。(増谷文生)

主な公立大・私立大の英語民間試験の活用方針

(一般選抜で国のシステムを使う方針だった大学)

●全学部で活用

 上智大、立教大、関西学院大

●一部学部などで活用

 大阪市立大、早稲田大、青山学院大

●活用しない

 首都大学東京、大阪府立大