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 約3年前からJR戸塚駅(横浜市戸塚区)周辺で、ハトやムクドリがフンをまき散らし、地元住民らを悩ませている。横浜市戸塚土木事務所は今年9月末から、フクロウやミミズクなどの猛禽(もうきん)類(るい)によって追い払う対策を始めた。フクロウなどの姿を見るだけで、ハトが逃げ出すなど、早速効果が出ている。今月末まで取り組む予定。

 11日午前11時ごろ、2人の鷹匠(たかじょう)が駅東口のペデストリアンデッキに姿を見せた。ふくろうカフェ「福来楼本牧店」(同市中区)店長の千野力さん(48)と猛禽トレーナーの山中香苗さん(39)。カフェを営む傍ら、猛禽類を使って有害鳥獣の対策をするスペシャリストだ。この日、活躍したのは、ベンガルワシミミズクのベンジー(4歳、オス)とメガネフクロウのパン(3歳、オス)、ユーラシアワシミミズクのマーズ(4歳、メス)とハリスホークのアンタレス(4歳、メス)の4羽。本来、鷹匠は狩りをするためにタカなどを調教するが、千野さんによると、最近は鳥などを追い払うことを担うプロも増えているという。

 4羽がカゴから姿を見せると、周囲でエサを探していたハトたちが、一気に飛び去った。千野さんは「ハトにとってフクロウたちは天敵」と話す。対策を始めた頃は、タカやミミズクたちを実際に飛ばしてハトなどを追い払っていたが、最近は姿を見るだけで警戒するようになった。毎週のようにフクロウが現れるため、ハトなどは戸塚駅周辺がフクロウたちの縄張りであると思うようになったという。

 また、近くに住む人たちの間では、フクロウたちと写真を撮ったり触ったりできると話題になっている。写真をSNSに投稿する人も多く、同事務所の担当者は「話題になることで、『ハトにエサをあげないで』という啓発活動にもつながる」と歓迎する。

 ハトやムクドリを餌付けする人が後を絶たず、フンなどの相談が同事務所に多く寄せられていた。同事務所が9月下旬に調べたところ、1日平均ハト60~150羽、ムクドリ100~180羽、スズメ220~360羽が確認された。見回り活動やエサやり禁止の看板設置などを続けてきたが、思うような成果がでなかった。そこで、猛禽類による追い出しを開始。やがてフンの量が減り、少しずつ駅周辺がきれいになったという。

 「パンなどの人間の食べ物をハトなどにあげることは脂肪過多になり、ハトにとって悪影響だ」と千野さんは指摘する。「本当にハトのことを考えるのであれば、むやみにエサをあげてはいけない」と警鐘を鳴らす。

 猛禽類を使った対策は今月末まで平日週1回(午前11時~午後7時)を実施し、今後も調査を継続していく予定だという。(岩本修弥)