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【科学力】

 スーパーコンピューターの速度を大幅に超える次世代の量子コンピューターを始めとする「量子技術」の研究分野で、日米欧が今後の協力について話し合う国際会議が16日、京都市で始まった。実用化まで先は長いが、社会や経済に大きなインパクトを与える可能性のある技術をめぐり、研究協力と利害調整の難しいかじ取りが各国政府に求められている。

 量子技術とは、ミクロの世界を支配する物理法則である量子力学を応用した技術のことだ。量子コンピューターのほか、量子コンピューターを活用した情報処理、原理的に解読が不可能な通信や暗号、超高感度センサーなどの技術が含まれる。新素材開発や創薬、人工知能の性能向上、医療、ネットの安全性向上や金融分野のリスク管理など、幅広い分野への応用が期待されている。

 本格的な実用化まで20年以上かかるとされる量子コンピューターを始め、研究段階のものが多いため、実用化にこぎつけるには、論文発表などを通じた研究成果の流通と、国際的な人材の行き来を進めて互いに新たな知見を取り込みやすくする「オープンイノベーション」が求められる。一方で、実用化を見越し、技術の核心部分を特許化して囲い込む動きが、欧米や中国の企業、大学の間で早くも始まっている。

 内閣府は11月、国の「量子技術イノベーション戦略」の素案をまとめ、発表した。基礎研究では門戸を広げつつ、知的財産や国際標準化戦略を定めて国益を確保する「オープン・クローズド戦略」を進めるとし、当面、米国・EUとの協力枠組みの合意、研究協力の拡大などを目標に掲げた。京都市で始まった会議では、国際的な輸出管理の枠組みで規制強化の対象となっている中国は除外しつつ、日米欧でどう研究協力を進めるかを話し合うものとみられる。

特許で米中しのぎ合い

 量子技術の世界の現状をみると、米国と中国が特許戦略でしのぎを削る構図が顕著だ。

 欧州委員会などの調査では、2…

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