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 日韓関係悪化で韓国からの観光客が激減した長崎県対馬市を念頭に、政府が支援に乗り出す。「特定市場からの観光客の割合が高い観光地」を対象に、幅広い国や地域からの誘客を図るという異例のテコ入れ策だ。観光庁と内閣府が旅行商品の販路開拓や観光資源づくりなどを助成する方針で、13日に閣議決定する補正予算案に盛り込む。

 対馬市は、韓国・釜山の南東50キロに位置する人口約3万人の離島。2018年の訪日客約41万人は、ほぼすべて韓国から。観光は地域経済の大きな柱だ。

 だが、韓国大法院(最高裁)が昨年10月、元徴用工らへの賠償を日本企業に命じた判決をきっかけに日韓関係は悪化。日本が韓国向け輸出品の規制を強化した今夏以降では、対馬への韓国人客は大幅に落ち込み、11月は対前年同月比9割減。1~11月でみても25万人にとどまり、市は国に支援を求めていた。

 こうした事態を打開するため、観光庁が訪日客を、内閣府が日本人客を増やす取り組みを支援し、補正予算にそれぞれ2・5億~3億円を盛り込む。予算計上に際して、観光庁は対馬以外も対象になる可能性があるとしている。内閣府は事業目的を住民がいる国境離島の地域社会の維持と位置づけている。

 具体的には、外国人の有識者を地域に招き、多言語の案内文や交通アクセスといった受け入れ環境のほか、地域が持つ観光資源などを調査。どの国・地域や客層を狙って旅行商品を今後売り込むかなどの戦略づくりを支援する。新たな観光資源づくりや、SNSでの発信力を持つ「インフルエンサー」や旅行会社を招き、地域を宣伝してもらう取り組みなども支える。(及川綾子)